建築会社選びで後悔する人には、共通する落とし穴があります。
それは営業トークや会社規模に目を奪われ、本質を見失うことです。
家づくりを考え始めると情報が多すぎて、不安だけが増えていきます。
本稿では、建築会社を「どう選ぶか」ではなく「どう考えるか」を整理します。
【第1群】判断軸を間違える入口(価格・契約)
まず初めは、価格や着手金(前払い)と契約で、つまずく施主の理由をお伝えします。これらを良く考えず、そのまま進んだ家づくりの結果はどうなるのでしょうか。ここからは各章ごとに詳しくお伝えします。
第1回 坪単価は「比較の道具」であって「答え」ではない
家づくりを考え始めたとき、多くの人は坪単価を基準に建築会社を選ぼうとします。
それは一見、合理的で失敗のない選び方のように見えます。
しかし、実際には坪単価を基準にした選び方が、後悔の入口になってしまうケースも少なくありません。
なぜなら、坪単価は「比較の道具」ではあっても「答え」そのものではないからです。
では、どこで思い違いが起きるのか。そして、何を基準に考えるべきなのか。
本書では、その理由と背景を具体的にお伝えします。
1.坪単価は「比較の道具」であって「答え」ではない
建築会社選びで「坪単価」だけで比較してはいけない理由があります。
住宅の建築費は、今でも「坪単価 × 延床面積(坪)」でおおまかな総工事費を考える慣習が残っているからです。
この「坪(つぼ)」とは日本の伝統的な面積単位で、1坪は約3.3㎡(畳2枚分)です。
坪単価は、一見すると「会社ごとの価格差が分かりやすい指標」のように見えます。
しかし、本書では建築会社選びの判断材料として、同一条件ではない坪単価比較は不適切だと位置づけます。
なぜ坪単価は判断材料にならないのか
理由は大きく3つあります。
① 含まれている工事範囲と仕様が会社ごとに違う
坪単価は、多くの場合「建物本体価格のみ」を指します。
外構工事、地盤改良、給排水や電気の引き込み工事、各種申請費用などが、含まれているかどうかは、会社ごとに条件が異なります。
② 前提条件がそろわない
同じ延床面積でも、間取り、構造、断熱・耐震性能、標準仕様などが違えば、工事費は大きく変わります。
同条件でない以上、坪単価を並べても比較にはなりません。
③ 性能とコストの関係が見えなくなる
坪単価だけを見ると「安い=良い会社」「高い=ぼったくり」という誤った判断につながりやすくなります。
本来確認すべき、なぜその金額になるのかという比較条件が抜け落ちています。
本書が推奨する考え方
建築会社を比較する際は、土地が決まり、間取りと仕様の方向性がある程度固まった段階で、出来る限り同条件で各社の標準的な工事内容を前提に建物本体のみの概算見積を出してもらう。
この状態で初めて「その会社の考える標準的な家づくりの価格感」が見えてきます。
そのうえで算出される坪単価は、優劣を決める数字ではなく、その会社の考え方を知るための参考値として扱うべきものです。
建築会社に確認すべき質問
「この金額には、どこまでの工事内容が含まれていますか。また、それを標準仕様としている理由を教えてください。」この質問に対し数字ではなく価格判断の筋道を説明できるかどうか。それが比較すべきポイントです。
※ この記事は「住宅価格の知識」を教えるためのものではありません。誤った判断軸を手放すための視点として位置づけています。

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